火事で人が亡くなったニュースで、このくらい逃げ出せなかったのかと思われる場合があります。
ちょっと昔の、新宿歌舞伎町の飲食店で40人以上もの人が亡くなった火事などでも、なんで窓から飛び降りるなりしなかったのか、疑問に感じた人も多かったのではないかと思います。
つい先日のニュースでも、消火するために残った旦那さんが焼死するというものがありました。
彼らはなぜ、もう無理だと感じた時点で脱出できなかったのでしょうか?
実は火事が起こるとき、炎よりも恐いものがあるのです。
その正体は、一酸化炭素(CO)。
一酸化炭素が恐ろしいのには理由があります。
人の血液中の赤血球にあるヘモグロビンは、酸素と結合して酸素を運びます。
ところが、一酸化炭素はヘモグロビンに酸素の250倍もの速さで結合し、しかも、離れません。
だから、空気中に酸素が十分にあっても、ごく微量の一酸化炭素があるだけで、ヘモグロビンがどんどん一酸化炭素に占有される状態になって、一酸化炭素中毒になってしまいます。
くどいようですが、酸素が十分にあっても中毒になってしまうのです。
一酸化炭素中毒になってしまったら、高濃度の酸素を吸入して一酸化炭素を追い出す治療をしなくてはなりません。
しかも、一酸化炭素はなかなかからだから出て行かないため、吸入は数日から1ヶ月以上におよぶ場合もあるのです。
そして、火事の現場では、この一酸化炭素を含む有毒ガスが発生している場合が多いのです。
だから、火の勢いがまだ大したことないと甘く見て、何かを持ち出そうとしたりしているうちに、一酸化炭素中毒になって意識を失ってしまい、その後ゆっくりと炎に焼かれてしまったりするのです。
冒頭の新宿歌舞伎町の事故でも、入り口に折り重なるように倒れていた人たちは、一酸化炭素により一瞬のうちに意識を失ってしまい、逃げ遅れてしまったといわれています。
火事に遭遇したら、まだ火の勢いが大したことないからと、果敢に現場に飛び込むようなことは絶対にしないでください。
火の手がまだでも、他の魔の手がすでにそこにいるかもしれないのです。
テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2007/03/12(月) 23:06:40|
- 日常に潜む危険
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